原子力部門の今期(2010年3月期)売上高が予想以上に伸びている。国内電力会社の原発耐震補強工事が拡大しているのが背景。原子力部門を含むエネルギープラント事業も予定通り今期に黒字転換する見通しだ。
橋本伊智郎常務が4日のインタビューで明らかにした。原子力部門の今期売上高は現時点で500億円に達する見通し。前期(2009年3月期)実績の14%増に当たり、従来計画(450億円)も11%上回る。原子力用途以外の製品売り上げが減る来期も、米ウエスチングハウス(WH)向け売り上げが本格化して500億円の売上高を確保する。
エネルギー・プラント事業はIHIの主力で、今期営業損益は210億円の黒字(前期は62億円赤字)の見通し。橋本常務はこの見立てが計画通りだと述べた上で、原子力を最も伸びる事業と有望視した。米国ではジョージア州に建設予定の原子力発電所にオバマ大統領が政府融資保証を表明するなど、原発建設再開の機運が高い。
世界的な原発建設需要拡大を見込んでIHIは、原子力部門の売上高を2016年度までに800億円に引き上げる方針だ。東芝に納入する沸騰水型原子炉(BWR)製品に加え、WH用の加圧水型原子炉(PWR)にも積極的に取り組む。PWR用蒸気発生器生産に向けて来期には40億円を投資して横浜の工場に「クリーンルーム」などを建設する。